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1.特別寄稿 CISPR 16-2-3 Amendment 2 Ed.4 30 MHz以下の放射エミッション測定法規格の紹介
2.地域別ニュース
2.1 国際
2.1.1 EMC関連IEC新規格
2.2 欧州
2.2.1 CENELEC関連新規格
2.2.2 EU 委員会 : 小区域無線アクセスポイントの物理的および技術的特性を規定した実施規則を改正
2.2.3 EU 委員会 : 船舶用機器の設計、構造、性能要件および試験基準に関する委員会実施規則を官報で公開
2.2.4 EU 委員会 : 国連規則第100号 – 電動パワートレインに対する特別要求事項に係る車両承認の統一規定を官報で公開
2.2.5 EU 委員会 : 無人航空機のDRIのための整合規格に関する委員会実施決定を官報で公開
2.2.6 EU 委員会 : 直接販売機能を備えた冷蔵機器の統一規格を規定した委員会実施決定を官報で公開
2.2.7 EU 委員会 : 昇降テーブル、土木機械、クレーン、電動歩行者用ドアセットの統一規格を改訂する委員会実施決定を官報で公開
2.3 北米および南米
2.3.1 FCC : 市民向けブロードバンド無線サービスのための3.5 GHz帯管理規則の改訂を提案
2.3.2 FCC, OET : 国家安全保障に係る機器認可規則の改正提案FCC 22-84に関するガイダンスを更新
2.3.3 FCC : 5 GHz帯での無人航空機の使用に関する初期規則を採択
2.3.4 FCC : 17.3 – 17.8 [GHz] 帯における地球間衛星運用を可能にするためのFCC規則を改正提案
2.3.5 FCC OET および PSHSB : カスペルスキー製ソフトウェアを含む機器の認可を禁止
2.3.6 FCC : IoT のサイバーセキュリティラベリングプログラムの管理者の申請プロセスを発表
2.3.7 カナダ ISED : 個人用通信サービス(PCS) 機器の証明要求事項を規定したRSS-133, Issue 7 を発行
2.3.8 カナダ ISED : 免許を要するワイヤレスマイクロフォンの証明要求事項を規定したRSS-123, Issue 5 を発行
2.3.9 カナダ ISED : デジタルスキャナレシーバおよびアナログスキャナレシーバの範囲と適用に関するガイダンス発行
2.3.10 カナダ ISED : ワイヤレス電力伝送装置に適用される要求事項を規定したRSS-216 Ed.3 を発行
2.4 アジアおよびその他
2.4.1 中国 CQC : 電子製品および部品に適用する認証規則を更新公開
2.4.2 中国 : 中国国家標準公告2024第15 20号を公開
2.4.3 韓国 RRA : 放送通信資機材等の適合性評価に関する告示の一部改正
2.4.4 韓国 KSC : EMCおよび安全関連規格の発行
2.5 国内
2.5.1 経済産業省 : 電気用品安全法の対象運用解釈事例を公開
2.5.2 総務省 : 端末設備等規則等の一部改正等に関する情報通信行政・郵政行政審議会からの答申
2.5.3 総務省 : 世界無線通信会議の審議結果等を受けた周波数割当計画案
2.5.4 総務省 : 火災報知設備の感知器及び発信機に係る技術上の規格を定める省令
2.5.5 経済産業省 : 令和4年度電気用品安全法試買テスト結果を公開
2.5.6 経済産業省 : データ連携に関する公益デジタルプラットフォーム運営事業者を初めて認定
2.5.7 総務省 : 高周波利用設備の設置場所測定ガイダンスを公開
2.5.8 総務省 : 433MHz帯タイヤ空気圧モニタ及びリモートキーレスエントリに係る技術的条件
2.5.9 経済産業省 : 産業競争力強化法等の一部を改正する法律の一部を施行
2.5.10 総務省 : 自動運転時代の“次世代ITS通信”研究会(第二期)中間取りまとめを公表
3.IEC/CISPR 規格審議動向
1) CISPR/A/1430/DC : CISPR 16-1-2、主に電流プローブの伝達インピーダンス仕様の改訂
2) CISPR/A/1432/CD : CISPR 16-1-5、Annex C.3 を修正し、”計算可能なループアンテナ” を導入する提案
3) CISPR/A/1431/CD : CISPR 16-1-6, 3 Terms, definitions and abbreviations の3.1.1.4 calculable antenna の注記を修正し、”計算可能なループアンテナ” を導入する提案
4) CISPR/A/1436/CD : CISPR 16-1-6 に規定されている 1 [GHz] 以上のアンテナ校正方法に、C-SAM ( compact-reference transmit method ) を取り入れる提案
5) 77B/892/FDIS : 広帯域信号による放射電磁界イミュニティ試験法を規定したIEC61000-4-41の最終草案
他
1.特別寄稿 IEC 61000-4-2, Ed.3 のCDV文書発行
2.地域別ニュース
2.1 国際
2.1.1 EMC関連IEC新規格
2.2 欧州
2.2.1 CENELEC関連新規格
2.2.2 EU 委員会 : UWB技術を使用する機器の無線周波数の調和に関する実施決定
2.2.3 EU 委員会 : 公衆衛生、消費者安全、環境分野における科学委員会の設置に関する委員会実施決定
2.2.4 EU 理事会 : 医療機器の不足防止のための新たな措置を採択し、官報公開
2.2.5 EU 理事会 : 欧州における相互接続された電力ネットワークのための一連の措置を提案
2.2.6 EU 理事会 : 食品分野と繊維分野での廃棄物枠組み指令の改正に向けた協議を開始
2.2.7 EU 理事会 : グリーンクレーム指令案に関して欧州議会と協議開始
2.2.8 EU 理事会 : AI開発におけるスーパーコンピューティングの使用に関する規則を採択
2.2.9 EU 委員会 : 商品の修理を促進する共通規則に関する指令
2.2.10 EU 委員会 : 人工知能に関する整合規則を官報で公開
2.3 北米および南米
2.3.1 FCC : 国家安全保障保護に係る機器認可規制のための規則改訂を提案
2.3.2 FCC, OET : Part 25 のもとで運用するサテライト送信機の装置認可に関するガイダンスを更新
2.3.3 FCC, OET : 装置認可の仮承認手続きに関するガイダンスを更新
2.3.4 FCC Jessica Rosenworcel委員長非公式発表 : 5.9 GHz帯における高度道路交通システムのC-V2X技術への移行を最終決定
2.3.5 FCC, OET : セルラー車々間通信機器( C-V2X) の装置認可に関する特定事業者を追加
2.3.6 カナダ ISED : ホワイトスペースの周波数帯域で動作する免許不要無線機器の認可要求事項を規定したRSS-222の改訂提案規則Issue 4を公開
2.3.7 カナダ ISED : 5925-7125 [MHz] 帯域で運用する無線LAN装置の認可要求事項を規定したRSS-248の改訂提案を公開
2.3.8 カナダ ISED : 試験所および認証機関(CB) の認定手順と要求事項を規定したREC-LAB および REC-CB を発行
2.3.9 カナダ ISED :免許不要無線機器クラスI装置の認可要求事項を規定したRSS-210, Issue 11を発行
2.4 アジアおよびその他
2.4.1 中国 CQC : 電子製品および部品に適用する認証規則を更新公開
2.4.2 中国 : 中国国家標準公告2024第9 ~ 14号を公開
2.4.3 韓国 RRA : 電磁波適合基準一部改正(案)行政予告
2.4.4 韓国 RRA : 放送通信機器等の適合性評価対象機器等の変更
2.4.5 韓国 KSC : EMC関連規格の発行
2.5 国内
2.5.1 経済産業省 : 電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈についての一部改正
2.5.2 経済産業省 :令和5年度ものづくり基盤技術の振興施策報告書を公開
2.5.3 総務省 : 5G中継局等の導入及び4.9 [GHz] 帯における5Gの導入等に係る制度改正案
2.5.4 総務省 : 公共ブロードバンド移動通信システム及び狭帯域IoT通信システムに関する技術的条件について、情報通信審議会へ諮問
2.5.5 総務省 : ワイヤレス電力伝送システムに関する技術的条件に関する情報通信審議会からの一部答申
2.5.6 経済産業省 : デジタル推進人材育成プログラム “マナビDX Quest” の受講生募集開始
2.5.7 総務省 : 高周波利用設備の設置場所測定ガイダンス(案) に対する意見募集
2.5.8 総務省 : 令和5年度無線設備試買テスト最終報告の公表
2.5.9 総務省 : 電気を動力源とする航空機(空飛ぶクルマ)導入への対応
2.5.10 電波環境協議会(EMCC) : 医療機関における電波利用推進委員会2023年度報告
2.5.11 総務省 : “次世代のITS通信” 研究会(第二期)中間取りまとめ(案)に対する意見募集
2.5.12 総務省 : “5G普及のためのインフラ整備推進ワーキンググループ報告書” の公表
3.IEC/CISPR 規格審議動向
1)CISPR/A/1421/RVC : CISPR/A/1416/CDV ( VHF-LISNの導入 ) 提案文書の投票結果。
2)CISPR/A/1422/DC : CISPR 16-2-3 の改訂提案( 1 [GHz] 以上の放射エミッション測定方法 )
他
1. 特別寄稿
CISPR 11 第7版の発行について
2. 地域別ニュース
2.1 国際
2.1.1 EMC関連IEC新規格
2.2 欧州
2.2.1 CENELEC関連新規格
2.2.2 EU理事会 : 廃棄物の輸送に関する規則の改正採択
2.2.3 EU理事会 : 会社法におけるデジタルツールの利用拡大で議会と合意
2.2.4 EU 理事会 : 自動車、バン、トラックの排ガス規制に関する新規則 EURO 7 を採択
2.2.5 EU 委員会 : 共通充電器指令の解釈に関するガイダンスを公開
2.2.6 英国 環境省 : グリーン水素製造に関するガイダンスを公表
2.2.7 英国 DBT : 無線設備規則2017(S.I.2017/1206) の規格を改訂
2.2.8 英国 : 製品安全及び計量規則2024の改訂
2.3 北米および南米
2.3.1 FCC OET : データ参照による試験削減に関するガイダンスの更新発行
2.3.2 FCC OET : 3G / 4G機器のSAR試験手順に関するガイダンス再公開
2.3.3 FCC OET : §15.255のもとで運用するレーダ装置の装置認可に関するガイダンス公開
2.3.4 FCC OET : 送信モジュールの装置認可に関するガイダンスの更新発行
2.3.5 FCC : 6 GHz帯での免許不要機器の小規模事業者向け適合性評価ガイドを公開
2.3.6 FCC : 機器認可手順規則の参照規則に関する小規模事業者向けガイダンスを公開
2.3.7 FCC : 試験機関と認証機関のセキュリティを強化するための提案規則を公開
2.3.8 カナダ ISED :陸上移動および固定無線サービスの技術要求事項を規定したSRSP-500の改訂案を公開
2.3.9 カナダ ISED : 緊急位置表示無線ビーコン、緊急探知機送信機などに関する無線規格を発行
2.3.10 カナダ ISED : ワイヤレスマイクおよびワイヤレスマルチチャンネルオーディオシステムの認証要求事項を規定したRSS-123, Issue 5 の改訂案を公開
2.3.11 カナダ ISED : 無線電力伝送装置の技術的要求事項を規定したRSS-216 の改訂提案文書を公開
2.3.12 カナダ ISED : 免許不要無線装置の認可要求事項を規定したRSS-295 を発行
2.4 アジアおよびその他
2.4.1 中国CQC : 電子製品および部品に適用する認証規則を更新公開
2.4.2 中国 : 中国国家標準公告2024第1 7号を公開
2.4.3 中国SAMR : CCC認証対象品目の追加と低電圧部品の第三者評価方法の復活を発表
2.4.4 韓国 RRA : 放送通信機材等試験機関の指定及び管理に関する告示の一部を改正
2.4.5 韓国 RRA : 情報通信分野の国家標準の制定・改正及び廃止予告
2.4.6 台湾 BSMI : 国家標準規格の制定と改廃
2.5 国内
2.5.1 経済産業省 : 電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈についての一部を改正する通達に対する意見募集
2.5.2 経済産業省 : 日本産業規格(JIS) を制定・改正(2024年3月分および5月分)
2.5.3 経済産業省 : 北朝鮮IT労働者に関する企業等に対する注意喚起
2.5.4 経済産業省 : GXスタートアップの創出・成長に向けたガイダンス策定
2.5.5 経済産業省 : IoT製品に対するセキュリティ適合性評価制度構築に向けた検討会開催
2.5.6 総務省 : リチウムイオン蓄電池に係る危険物規制に関する検討報告書の公表
2.5.7 総務省 : IoT機器のセキュリティ向上を推進する新しいプロジェクトNOTICE を開始
2.5.8 総務省 : 令和5年度無線設備試買テスト中間報告(第3次) の公表
2.5.9 総務省: 電波利用環境委員会報告(案) に対する意見募集
2.5.10 総務省 : 電波防護指針の在り方及び携帯電話端末等の電力密度による評価方法に関する情報通信審議会からの一部答申
3. IEC/CISPR 規格審議動向
1) CISPR/B/840/CD : CISPR 11に導入予定の無線ビーム無線電力伝送(RB-WPT) 装置に対する草案規定
2) CISPR/D/498/CDV : CISPR 12 Ed.7 の改訂提案文書
3) CISPR/F/851/FDIS : CISPR 15 : 2018 (第9.0版) の最終修正文書
4) 77B/890/CDV : IEC 61000-4-2, Ed.3 の改訂提案文書
他
1. 特別寄稿
CISPR SC/Iにおける審議動向
2. 地域別ニュース
2.1 国際
2.1.1 EMC関連IEC新規格
2.2 欧州
2.2.1 CENELEC関連新規格
2.2.2 EU委員会: 欧州議会と理事会が高速ネットワークのEU内展開を加速する協定を締結
2.2.3 EU委員会: 農薬散布機器検査のための整合規格に関する委員会実施決定
2.2.4 EU委員会: 索道設備の整合規格に関する委員会実施決定
2.2.5 EU委員会: 船舶での移動体通信サービスのための無線周波数帯の調和使用条件に関する委員会実施決定
2.2.6 EU委員会: 車両に関する国連規則の修正提案および運転支援システムに関する新たな国連規則の提案に対する理事会決定
2.2.7 EU理事会: 医療機器の供給不足防止のための新たな措置を承認
2.2.8 EU理事会: 電気電子機器廃棄物(WEEE)に関するEU法の修正案を採択
2.2.9 英国 DBT : UKCAマーキングのガイダンス更新
2.2.10 英国 DBT : デジタルラベルを導入し、規制コストを削減するための新法
2.3 北米および南米
2.3.1 FCC : 低電力保護法( LPPA )の施行に関する正誤表を公開
2.3.2 FCC OET : セルラー車々間通信機器( C-V2X) の装置認可に関するガイダンス更新発行
2.3.3 FCC : 有線ブロードバンド導入加速に関する文書の正誤表を公開
2.3.4 FCC : IoT製品のサイバーセキュリティに関する規則提案文書を公開
2.3.5 カナダ ISED : 116-123 GHz 等の周波数帯域で動作する免許不要無線装置の認証に関する提案規則を公開
2.3.6 カナダ ISED : 帯域 896-901 MHz および 935-940 MHzで動作するブロードバンドシステムを含む陸上移動および固定無線サービスの技術要件に関する改訂提案規則を公開
2.3.7 カナダ ISED : 妨害波を発生する装置の適合性に関する一般要求事項、第2版を発行
2.3.8 カナダ ISED : RSS-210 Issue 11、RSS-133 Issue 7、SRSP-510、Issue 6の提案規格を公開
2.4 アジアおよびその他
2.4.1 中国CQC : 電子製品および部品に適用する認証規則を更新公開
2.4.2 韓国RRA : 電磁波適合性試験方法一部改正
2.5 国内
2.5.1 総務省 : 令和5年度無線設備試買テスト中間報告(第2次)の公表
2.5.2 経済産業省 : 生成AIの開発力強化に向けたプロジェクト “GENIAC” を開始
2.5.3 経済産業省 : AIセーフティ・インスティテュートを設立
2.5.4 電波環境協議会(EMCC) 第46回講演会 2023年CISPR国際会議報告会
2.5.5 経済産業省 : 記録媒体FD等を指定する規制等見直しのための省令改正
2.5.6 総務省 : デジタル放送に関する送信の標準方式の一部を改正する省令案等の制定・改正案
2.5.7 総務省 : ICTサイバーセキュリティ政策分科会の開催
2.5.8 総務省 : 電磁誘導調理器及びPLCに関する省令改正
2.5.9 総務省 : 電波の医療機器への影響等に関する調査報告書公開
2.5.10 経済産業省 : 日本産業規格(JIS)を制定・改正(2024年2月分)
2.5.11 総務省 : 電波利用環境委員会報告(案)に対する意見募集
3. IEC/CISPR 規格審議動向
1) CISPR/B/839/CD : WPT EV システム装置に対するEMC要求事項
他
1. 特別寄稿
150kHz~30MHzにおける電動車のエミッション規格CISPR36の紹介
2. 地域別ニュース
2.1 国際
2.1.1 EMC関連IEC新規格
2.2 欧州
2.2.1 CENELEC関連新規格
2.2.2 EU委員会 : 電気機器に関する調和規格の改訂に関する委員会実施決定
2.2.3 EU理事会 : 電気・電子機器からの廃棄物の収集と管理に関する指令の修正案
2.2.4 EU委員会 : 人体に近接して使用する無線通信機器の整合規格に関する実施決定を改訂
2.2.5 EU委員会 : 家庭用タンブル乾燥機のエコデザイン要求事項に関する欧州委員会規則
2.2.6 EU委員会 : 道路交通分野における高度道路交通システム導入に関する指令の改正
2.2.7 EU委員会 : 体外診断医療機器の分野におけるEU参照試験所の指定
2.2.8 EU理事会 : AI規則に関する協定締結
2.3 北米および南米
2.3.1 FCC : ワイヤレス携帯端末の補聴器適合性100 %達成のための規則制定提案を公開
2.3.2 FCC : 低電力保護法を実施する規則の採択提案を公開
2.3.3 FCC : 有線ブロードバンド普及を加速する提案規則を公開
2.3.4 FCC OET : データ参照による試験削減に関するガイダンスの更新発行
2.3.5 FCC : FCC規則の移動体運用規則をWRC-19の決議案に整合させる改訂案を公開
2.3.6 カナダ ISED : 試験機関の認定手順に関する提案規則を公開
2.4 アジアおよびその他
2.4.1 中国 : 中国国家標準公告2023第13号を公開
2.4.2 韓国 : 韓国規格協会EMCに関する規格発行
2.5 国内
2.5.1 ARIB電波利用セミナー “2023年世界無線通信会議(WRC-23)の結果について”
2.5.2 総務省 : 周波数再編アクションプラン(令和5年度版)の公表
2.5.3 経済産業省 : 燃料電池自動車等の規制の一元化を実施
2.5.4 経済産業省 : 計量単位令の一部を改正する政令が閣議決定
2.5.5 経済産業省 : 特定家庭用機器再商品化法施行令の一部を改正する政令が閣議決定
3. IEC/CISPR規格審議動向
1) CISPR/B/831/FDIS : CISPR 11 Ed.7 1GHz以上のエミッション、ロボットに対するエミッション規制
2) CISPR/A/1416/CDV : 電源線ケーブルの終端治具として、平衡型VHF-LISN、不平衡型VHF-LISNをCISPR 16-1-4に導入する提案文書
3) 77B/878/CD : IEC 61000-4-2 Ed.3, ESD発生器の校正条件、壁掛け機器およびウェアラブルデバイスの試験配列
4) 77B/882/CD : IEC 61000-4-4 Ed.4, 繰り返し周波数の追加、試験機パラメータの検証]
他
1. 特別寄稿
今月号は、トピックス記事はありません。
2. 地域別ニュース
2.1 国際
2.1.1 EMC関連IEC新規格
2.2 欧州
2.2.1 CENELEC関連新規格
2.2.2 EU委員会 : 無線機器の必須要件の適用日に関する委任規則(EU) 2022/30の改正および修正をOJで公開
2.2.3 EU委員会 : 無線機器などの整合規格に関する実施決定(EU) 2022/2191を改正する実施決定(EU) 2023/2392をOJで公開
2.2.4 EU委員会 : エネルギー効率に関する欧州指令(EU) 2023/1791をOJで公開
2.2.5 EU委員会 : 再生可能エネルギー源の促進に関する指令を修正
2.2.6 EU委員会 : エアコン、光源、冷蔵機器、および直販機能を有する冷蔵機器のエネルギー表示要求事項に関する委任規則を修正
2.2.7 EU理事会 : インテリジェント交通システムの展開を促進するための新しい枠組みを採用
2.2.8 英国 : 自動運転車を安全に導入するための新しい法案を提出
2.3 北米および南米
2.3.1 FCC : 装置認可に関係する参照規格の更新を官報で公示
2.3.2 FCC : デジタルTVへの移行完了に伴う規則改訂のためのReport and Order発行
2.3.3 FCC OET : セルラー車々間通信機器(C-V2X)の装置認可に関するガイダンス発行
2.3.4 FCC OET : 携帯型ハンドセットのHAC装置認可要求事項に関するガイダンス更新発行
2.3.5 FCC OET : データ参照による試験削減に関するガイダンスの更新発行
2.3.6 FCC OET : ワイヤレス電力伝送を使用した装置の機器認可に関するガイダンスを更新発行
2.3.7 FCC OET : 装置認可の仮承認手続きに関するKDBガイダンスの更新発行
2.3.8 FCC OET : 送信機モジュールおよび送信機モジュールを組み込んだ機器の認証に関するガイダンス更新発行
2.3.9 FCC OET : 機器ラベルとユーザへの情報に関するに関するガイダンス更新
2.3.10 カナダISED : 無線機器の適合性試験手順にANSI C63.10-2020およびANSI C63.25.1-2018を採用
2.3.11 カナダISED : 海上サービスに使用される無線機器の認証要求事項を規定したRSS-182(Issue 6)修正1の発行
2.3.12 カナダISED : 高度道路交通システム(ITS)車載ユニット(OBU)に関するRSS-252の改訂版発行
2.3.13 カナダISED : 無線周波曝露に関わるアンテナ設置等における場所とアクセス制限に対する改定規格提案を公開
2.3.14 カナダISED : 非常用位置表示無線ビーコンの装置認可に関するRSS-287, Issue 3の改訂提案文書を公開
2.4 アジアおよびその他
2.4.1 韓国RRA : 放送通信機材等の適合性評価に関する告示一部改正(案)を公開
2.4.2 台湾BSMI : CISPR 14-1, 2020相当規格を国内規格として採用予定
2.4.3 中国 : 中国国家標準公告2023第9号を公開
2.5 国内
2.5.1 経済産業省 : 令和3年度電気用品安全法試買テスト結果を公開
2.5.2 総務省 : 電波法施行規則等の一部を改正する省令案等に関する意見募集
2.5.3 総務省 : 周波数再編アクションプラン(令和5年度版)(案)に対する意見募集
2.5.4 総務省 : 電磁波の健康影響に関する講演会の開催
2.5.5 経済産業省 : 2023/9/20および2023/10/20付け公示JISリストを公表
2.5.6 経済産業省 : 無人航空機の衝突回避に関する国際規格発行の紹介
2.5.7 電波産業会 : 第21回技術講演会を開催
2.5.8 総務省 : PLC設置要件緩和及びIH調理器型式確認対象拡大のための電波法施行規則の一部を改正する省令案についての意見募集
3. IEC/CISPR規格審議動向
1) CISPR/A/1410/CD : CISPR 16-1-1 Ed.5に18[GHz] 40[GHz]の周波数帯域における測定用受信機の仕様を導入する提案文書
2) CISPR/B/826/CD : 測定を現地または定義サイトで実行するときに適用可能な限度値と試験方法を定めた提案文書
他
技術情報、センターニュース(出版物、セミナー等のご案内、行事予定)等を年4回、KEC会員限定で無償配布している情報誌です。
発行から1年間はどなたでもWebサイトから閲覧していただけます。
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- 緑豊かな野原のオープンサイトで測定
30MHz以下の磁界エミッション測定の国際規格がCISPR 16-2-3、測定場所の要件はCISPR 16-1-4で標準化されましたが、筆者が若かりし頃は金属床ではないグラウンドや緑豊かな金属のないオープンサイトで、春先や秋頃はなんとなく、ほのぼのとした中で測定を行っていました(冬場と夏場は地獄でしたが)。テストレシーバも自動車用のバッテリーで駆動させていました。当時のテストレシーバにはDC12V入力端子が標準装備されていたのも驚きですが。
緑豊かなオープンサイト
当時は知識も少なく純粋で指示された通り測定を行っていましたが、理由は当然で空中に電力架線や地下に金属配管などが埋設されていると距離減衰に影響し、テストレシーバをDC駆動させるのも電源線によるグラウンドループの影響を無くすためで、今考えると良く考えられた設定だったと思います。試験品の多くは500kHz未満で動作する国内電波法の誘導通信機で、試験品から3, 5, 7, 10m離して測定した結果から、距離減衰率を計算し規格で規定された距離における電界(磁界)強度を求める、または30m距離からλ/2πの電界(磁界)を求めるのが殆どでした。そんなこともあり、距離30mを確保できる河川敷のグラウンドを借用したり市民グラウンドを借用したりして出張測定を行うこともありました。
現在、標準化されたCISPR 16-2-3における30MHz未満の測定では、受信ループアンテナをX, Y, Z軸の3軸での測定が要求されています。当時は試験品が手のひらサイズで電池駆動でしたので、受信ループアンテナはX, Y軸の2軸。試験品を3軸回転させて測定していていました。ドイツ製の受信ループアンテナはX, Y軸の2軸しか想定されていな構造なので、そもそもZ軸の概念すらなかったです。
測定小屋に準備していたドイツ製ループアンテナ
測定周波数が低く、また受信ループアンテナがシールドループアンテナと言うこともあり、受信アンテナに近づこうが直接手で触れようが、テストレシーバの指示値は微動だにせず、試験品を回転させるだけでアンテナの高さ方向の捜査も必要ないので、30MHz以下の磁界測定は、ほのぼのした環境の中で測定を行うものだと言う概念を若かりし筆者はもったのも事実です(まさか20年後に国際会議で測定案を提出するとはつゆほどにも思わず)。
- 若かりし頃の失敗談
いまさらながらですが、放射エミッション測定やイミュニティ試験でテストテーブルの影響はあるのかという話ですが、ざっくりですが700MHz以上の周波数帯域だとテストテーブルの材質で測定結果に影響を与え、筆者が25年以上前の若かりし頃に何も意識せず測定を行い、材質によって限度値を超過することが判り木製とFRP製、発泡スチロール製で比較してお客様とともに検証を行った失敗談があります。
- 取扱う周波数で材質の影響も異なる
当時のOATSを覆うシェルターはFRP製で、FRP製のテストテーブルならば問題ないだろうとの考えは間違いで、ハイトパターンも異なるし1GHzを超えると従来問題無いと考えられていた材質が、突然悪人のように扱われるほど大きな影響が生じ、「たぶん大丈夫」ではなく実験や検証をおこなって「大丈夫」だと確信するように、この問題から心がけが大きく変わったのは事実で、VCCI技術専門委員会でもテクニカルレポートを発行していますが、取り扱う周波数帯域の上限を考えてテストテーブルも準備する必要があります。
- 国際規格CISPR 16-1-4で規定はされたけれども
現状ではCISPR 16-1-4でテストテーブルの影響を検証する方法や許容範囲、結果の取扱いまで規定されたのは良いことだと思います。評価しなければならないので。ただ不確かさに落とし込むのはどうなんでしょう。例えば1GHz超では材質によって強烈な影響を与えますが、これは測定方法が受信アンテナ固定されている要因が大きく、高さ方向に少し捜査することである程度解消されることから、テストテーブルの影響なのか、測定方法の影響なのか、よく分からないというのが著者の感想です。
ただ、何も検証せずにカタログ値を鵜呑みにするのは如何なものかで、先にも述べたように「たぶん大丈夫」ではなく、実験や検証をおこなって「大丈夫」とした方がより良いのはと老婆心ながら気にかける次第です。
- 若かりし著者も一生懸命に計算していた
EMC試験所を運用されている方々は、CISPR 16-4-2やIEC規格に従って測定の不確かさなるものを算出していると思います。著者も若かりし20年以上前は一応一生懸命に資料やデータをかき集め、CISPR 16-4-2の様なテクニカル文書もなく、GUMや上司にご指導いただきながらなんとか算出していましたが、現在ではバジェットシートも概ね満足できる内容で最適化され、必要な資料やデータも明確なので、若干繰り返し作業的になっているのは仕方ないことですが、なんとなく寂しいものです。
- そもそも不確かさを算出する意味はあるのか
表題の内容を質問されると立場上「必要」と申し上げますが、CISPR 16-4-2では測定技量や試験品の安定度は含まれない計測器系の不確かさであり、基本的には相互に関連性のある項目は二重に含めないはずですが厳密には曖昧で、そもそも試験方法が定めている内容も含まれているのが、複雑奇怪にしている要因なのではないかと思う次第であり、労力の割には効果が薄いと言うのが、あくまでも個人的な意見です。
- なにか活用する方法はないものであろうか
不確かさの結果を活用する方法は余りないのかなぁって言うのが正直なところですが、一方で試験所は、技能試験なるものに可能な限り参加する必要があります。技能試験とは、複数の参加試験所による測定結果について、事前に定めた評価方法に従って統計処理を行い、参加試験所間での比較を行うものであり、EMC試験所の試験設備や測定方法、試験結果に関する妥当性を確認するものですが、統計処理された結果、残念ながら結果が疑わしいとなった時には対処に困るわけです。このような異常事態の分析にCISPR 16-4-2の項目は案外役に立ちます。明らかに関係のない項目もありますが、項目ごとに資料をかき集め、例えば使用しているテストレシーバの正弦波応答が対象周波数近辺で偏差が大きくなっていないかとか、NSAの結果から偏差が大きくなる可能性はないのかといった感じで、特定周波数で誤差要因を積算していくと、道筋が見えてくる場合もあります。
あくまでも限られた要因調査の参考ですが、何から手をつけるべきか分からないと言った場合には、CISPR 16-4-2の不確かさ項目を当たっていくのも活用方法のひとつになるのではないでしょうか。
- 電波暗室を維持するのも大変
電波暗室は高価な設備であることは今も昔も変わりません。ただEMC試験を実施するには特性の維持・検証を行う必要があり、その作業も筆者が入社した30年前と比べると増加しており、経営側となった筆者にとっては、技術力維持拡大効果を願うばかりです。
- 電波暗室の評価・検証
30年前と比べるのもなんですが、なんやかんやと試験を実施するために必要な事項が大幅に増えているのは事実で、対応する技術者は大変です。それにともない使用するアンテナや電界センサーなどの計測器の校正費用も増えており経営側も悩みます。
試験所によっては車載関連のTEMセルやトリプレート、ストリップラインのレベルセッティング、民生関連のIEC 61000-4-8電源周波数磁界やパルス磁界などなど、いつ本業の試験を実施するのだと言うぐらいに増えています。
内容 | 参照規格例 | 周波数 | 現在 | 30年前 |
---|---|---|---|---|
NSA (3/10m) | CISPR 16-1-4 | 30-1000MHz | ○ | ○ |
SVSWR | CISPR 16-1-4 | 1-6GHz / 6-18GHz | ○ | 無 |
NSIL (3/10m) | CISPR 16-1-4 | 9kHz–30MHz | ○ | 無 |
SIL | CISPR 12 | OTSとの相関性 | ○ | 無 |
サイト評価 | CISPR 25 | LW法等 | ○ | 無 |
アンビエントノイズ | 伝導・放射エミッション | 全周波数帯域 | ○ | ○ |
放射イミュニティ 電界レベルセッティング |
IEC 61000-4-3 ISO 11452-2 |
80(26)-1000MHz 1GHz以上 |
○ ○ |
○ 無 |
近接照射 電界レベルセッティング |
IEC 61000-4-39 ISO 11452-11 |
9kHz–6000MHz 380MHz–6GHz |
○ ○ |
無 無 |
伝導イミュニティ レベルセッティング |
IEC 61000-4-6 ISO 11452-4 |
150kHz–230MHz 100kHz–400MHz |
○ ○ |
○ ○ |
- 費用対効果よりも技術や技能の進歩を見たい
増加はしたものの、計測器やパソコンの高速化などで確実な時間短縮は発生しています。また現場での時間短縮のための工夫や精度を改善する手法も、通常業務に活かせる内容で進化していて、全体でみると30年前と日数的には変化がない状況になっています。
サイト評価作業は運用維持には必ず発生し、作業内容は実際のEMC試験よりも単純かもしれませんが、案外これらの評価のベースとなる知見、技能や技術は通常のEMC試験に活かすことができる内容で、一歩踏み込んでEMC試験法を理解するには、とても良い機会でもあります。著者自身も良い経験を得ることが出来た内容なので、立場的には費用対効果なのですが、それよりも若手エンジニアの技能や技術の進歩を見てみたいと言う気持ちが強いのも事実です。
- CISPR 22の初版から
1985年に発行されたCISPR 22 初版は僅か24ページ。製品の多様性やマルチメディア規格になったCISPR 32 第6版では100ページを超え、修正文書も含めると5倍近いページ数になり、老眼の筆者には読むのも辛い規格になってきました。初版からオープンサイト等で妨害波がある場合には、例えば3m距離で測定し、限度値を10m距離から3mへ換算しても良いことが記載されています。
- 禁断の距離換算係数
自由空間でかつ遠方界として電波伝搬を考えて良いのであれば3mから10mへの距離換算係数は約10dBで正解ですが、本当に正しいのかと疑うエンジニアと、規格に書いてあるからいいと言うエンジニアがいると思います。今の筆者の立場からすると、技術的な立場、経営的な立場からいわゆる大人の事情で、両方とも正しいと言うのが本音ですが、そう言う筆者も過去には禁断の距離換算係数を実機にコムジェネレータを結合させて検証したことがあります。結論は測定偏波、測定周波数やテストボリューム等によって変化し、約10dBは幻想であると言う結果を得てしまいました。特に垂直偏波の200MHz付近では伝搬経路の位相差と直接波と反射波が同相となることから3mから10m距離の電界強度は殆ど減衰しないのが分かります。
- 触れるべきではないのか?
1985年以降、CISPRでも距離換算係数の取扱いは、各国の研究者がシミュレーション、実機による結果を元に議論になったそうです。先に述べた結論は出ていて、ここからは想像ですが統計的に考えれば概ね10dB程度になるので議論を中止したのではないかと思います(確かにグラフを遠くから眺めていると10dB程度に見えるのも幻想か?)。
だいたい10年周期で距離換算に関する議論が生じるようで、現在は30MHz未満の磁界エミッションでも議論が始まったようですが、正当性を論じすぎて複雑にならないことを祈るばかりです。
- 久しぶりに測定を手伝う
立場上、殆ど測定や試験を行うこともなく、そもそも老眼で計測器のボタンや表示されている数値が見辛く効率悪化も甚だしく行うべきではないのでしょうが、30MHz以下のサイト特性NSIL評価を手伝い、その時にBNCコネクタは怖いと思った逸話を紹介します。
- 結構便利で普及しているBNCコネクタ
30MHz以下の伝導、放射エミッション測定に使用するアンテナや回路網には、結構BNCコネクタが使用されていて、小型で取付も簡単なのでオシロスコープでは金メッキされた高級精密BNCコネクタまであるようです。特性上は1GHzまで使用できると計測器メーカが発行しているテクニカルノートには記載されています。
- 一体何が発生した
サイト評価を行うのでインピーダンス不整合による影響は極力なくしておくのがセオリーでコネクタへの負荷を考えBNC型の固定減衰器を準備したものの、同軸線路には平衡電流による影響を無くすため大量のフェライトコアを装着した若干重量のあるものをループアンテナに接続して評価を開始。同軸線路の影響有無を確認するためにBNCコネクタに触れた瞬間に事件は現場で起こった。測定結果が元に戻らない‼
- 注意して使うしかない
ごちゃごちゃBNCコネクタ周りに触れていると元の結果に戻りますが、どちらが結果として正しいのか簡単には判断できません。仕方なくN型コネクタのループアンテナに変更すると、元に戻らない悪い方の結果が勝者となりました。
アンテナはBNCコネクタ。整合をとるために固定減衰器を接続して、フェライトコアが装着された比較的重いケーブルが接続されます。CISPR 16-1-4は、この内容も考慮してか水平に同軸線路を伸ばすように指示されていますが、これは正解です。
ただ本当に段差なく平行に伸ばし、かつ重みでBNCコネクタに負荷がかからないように上手く調整しないと、コネクタのグラウンド接続が甘くなり、測定結果にかなり影響を与えるので、使用する際には細かい話ですが繊細に扱う必要があるようです。
- 構造は似ているけれども
EMC規格には構造が似ているCMAD (Common Mode Absorbing. Device)、吸収クランプ、EMクランプが規定されています。分割されたフェライト材料が並んでいて構造上は良く似ていますが、使用目的や特性を知らずに代用するなどはもってのほかで、測定や試験の再現性が吹っ飛ぶことがあります。
- 使用する目的と特性の違い
規格が異なるので下表のように使用する目的、基本特性や使用周波数も異なるのは当然です。
IEC 61000-4-6には丁寧に減結合クランプとCMADの減結合量とインピーダンスの周波数特性が掲載されていて、理解して使えよと言わんばかりです。低周波では減結合の効果は殆どなく、CMADは10MHz以上で減結合、インピーダンスが一気に大きくなる一方で、減結合クランプはそこそこの減結合でインピーダンスは概ね一定の特性になっています。
- 使用しているフェライト材料が異なる
EMC対策部品でフェライト材料を製造販売されている製造業者さまのウェブに詳しく記載されているので詳細は省略しますが、非透磁率はざっくりですが妨害波を吸収する抵抗成分と妨害波を閉じ込める又は、はじき返すリアクタンス成分があって、構造は似ているのですが、それぞれの特性を満足させるためには、使われているフェライト材料は異なっているはずです。
規格の特性上、吸収して欲しいところに閉じ込める・はじき返す特性の物を使用すると、感覚的なことになりますが試験結果に差が出てくるというのは理解しやすいかと思います。このことからCMADはインピーダンスが高くなっているのは閉じ込める・はじき返す特性を示している一方で、減結合クランプはそこそこ吸収しますが閉じ込める・はじき返す特性はCMADに比べると弱いと言えます。これはAEに対する影響が異なるので使い方によって試験結果に差異が生じることになります。
- 何度も述べて申し訳ない
特性を理解して使いましょうと、よもやま話を始めてから何度も述べているので、しつこいなぁと思われる方がいらっしゃると思いますが、低周波からのイミュニティ試験で吸収クランプを使用すると記載されている規格を見かけることもあります。構造が似ているから仕方ないけれども、国際規格では詳細まで記載はされていないですが周波数帯域、目的を考え特性を理解して使用しないと残念な結果になるので理解して使用しましょう。それと何が違うのかという疑問を持てば、ウェブで検索すると教えてくれる良き時代です、調べることも重要です。
- 電力増幅器の高調波
2023年2月に放射イミュニティ試験で使用する電力増幅器の高調波に触れました。前置増幅器と同じく直線性領域で使用するのが良いですが、それに加えて高調波の特性が問われることがあります、何故でしょうか。もう少し深く説明してみましょう。
- MIL Std 461 F以降詳しく解説されていて
高調波特性についてMIL Std. 461F班以降には結構詳しく記載されているのですが、なかなかMIL規格を紐解く方は少ないでしょう。MIL規格の放射イミュニティ試験は2MHzから18(40)GHzと言うとても広い周波数範囲で実施しますが、例として下表の条件で高調波の影響を考えてみましょう。
この周波数帯域でバイコニカルアンテナを使用することは、そもそも放射効率の点から致命的ですが、電力増幅器の高調波特性が-6dBcで、2倍の高調波60MHzで考えてみましょう。Schwarzbeck様のカタログ値からアンテナの利得は-8.16dBi@30MHz, -0.27dBi@60MHzと記載されています。
実際には反射係数や効率、1m距離での近傍界の問題もりますが、ケーブルロスも30MHz, 60MHzですと差分も1dB程度と仮定すると、理論計算上は基本波よりも高調波の電界強度が強くなることが分かります。試験品が誤動作した場合、どちらの周波数が原因なのでしょうか、悩みますよね?
- 電力増幅器と送信アンテナの特性を知っておくこと
電力増幅器の高調波特性は購入時に特性表を必ず確認する必要があります。また合わせて組み合わせで使用する送信アンテナの利得にも気を遣う必要があります。電力増幅器の高調波特性が-20dBcもあれば上記の例だと60MHzの電界強度理論値は10V/m程度になるので問題はなさそうです。
購入時に特性を理解しシステムを組み上げたときに、問題がないことが確認出来れば良さそうです。ただ著者も電力増幅器の各特性が経年劣化した時に、どうなるのかは経験したことがありません。そもそもKEC内では毎年検証を行っているので現状は大きく変化していないことは分かっていますが、いずれにしても使用している計測器の特性は他のよもやま話でも解説していますが、EMCエンジニアとしては知っておくことが重要です。
- エミッション測定の許容値
約20年前にエミッション測定の許容値の根拠は何と言うことで、当時の若手メンバーと調査した経緯があります。最終的には強引にまとめている感はありましたが、なるほどなぁと思う点も多く、良い機会だったと言うのが思い出です。現在はCISPR TR 16-3にて伝導、放射エミッションともに解説されているので読んでみるのも良いでしょう。
- 測定系を考えると難しい許容値
今まで測定を経験してきた中で、測定系を改善しなければ正しく測定出来ない許容値を規定している規格は少なからずあります。ノイズフロアやダイナミックレンジ、計測器を破損させる可能性など様々ですが、それなりの経験を積んだEMCエンジニアと器材を有していないと難しい内容です。
- 結構考える必要があります
例はCISPR 11 Group 1 Class A 75kVA以上の製品の電源線伝導妨害の許容値です。準尖頭値150kHzで130dBμV(3V超)!
経験上、150kHz未満は、もっと強い妨害波が出ている場合が多く、単純に40dB程度の固定減衰器を接続するだけじゃ駄目で、通常の固定減衰器の耐圧は2W程度なので全入力電力で2Wをこえてしまい焼ききれる可能性が出てきます。仮に帯域制限フィルタを用いるにしても、内部で使用されているコイルやコンデンサの耐圧を考慮する必要があります。ISO/IEC 17025:2017では新しく導入する試験法は検証する必要があるとの記載があるので認定試験所であれば、なおさら正しく測定や試験が出来る根拠を示す必要があるでしょう。
- 臨機応変な対応しかない
2023年3月にも同様な内容で掲載しました。今回は妨害波レベルが非常に高い可能性のある場合でしたが、微小レベルにしても不用意に利得の大きな前置増幅器を導入すると熟練者が使用するのであれば良いですが、万能とすると教育をしっかり行わないと結構痛い目に合います。経験や知識をフル活用して臨機応変に対応し、記録に残して万能化するのが良さそうです。
- アンテナ平衡度
アンテナのバランス、日本語では平衡度と言うのが正しいようですが。あまり乱暴に説明するとアンテナ工学に詳しい方に指摘され叱られそうですが、アンテナの上下をひっくり返しても受信レベルが変化しないかどうかを示す指標です。アンテナ昇降装置に、常に同じ位置関係で正しく取り付けるように指示しておけば、わざわざ天地逆に取り付けることは無いので変化することは無いと思います。
例えばバイコニカルアンテナのアンテナ校正を行う、または外注する場合には、念のためエレメントの左右を指示したり、アンテナバランの上方向を指示したりしておくことは重要になります。
- 平衡度が悪いアンテナは存在するのか
アンテナエレメントの左右が非対称なアンテナやバランの性能が悪いアンテナは、アンテナをひっくり返すと測定値が変化します。製造業者を記載するわけにはいきませんが、複合型アンテナの古い型式で垂直偏波の場合、上下が非対称になることから測定値が割と変化するものもあります。
- 簡単な確認方法
どこの試験所も放射エミッション測定を行う前に始業点検を実施していると思います。その際に受信アンテナをひっくり返して、どの程度値が変化するかを確認すれば厳密ではないですが、おおよその確認は出来ます。1.0dB以上変化するようであれば、使用を中止するか、運用する方法について検討を行った方が良いでしょう。
- 試験所の運用で最低限守っておいた方が良い事柄
アンテナは決しても安いものではないので、買い替えるのも難しい場合があります。その上で最低限守っておいた方が良いことは、
・ バイコニカルアンテナや複合アンテナで接続する左右のエレメントは決めておく。
・ 受信アンテナの上面はどちらなのか決めておく。
・ 昇降装置への取り付け方法や向きなども規定しておく。
これらの情報はアンテナ校正を外部委託するときに、情報を展開しておくことも忘れずに行う必要があるでしょう。校正機関はエレメントがどちら側に取り付けることまでは知らないはずですから。
- 測定している値の偏波
受信アンテナが水平偏波であれば、測定している値は水平偏波の電界強度に決まっているだろうと言う方が多いかもしれません。もう一度使用している受信アンテナを眺めてみましょう。例えば複合アンテナの場合、水平偏波に設定した時にエレメントが垂直になっている部分はないですか?
アンテナの構造によっては、僅かかもしれませんが異なる成分が含まれている場合があります。アンテナ工学的には詳細で難しい定義付けされていますが、おおざっぱに言うと水平偏波を測定しているときの垂直偏波、垂直偏波を測定しているときの水平偏波がどの程度含まれるのかを示す指標が交差偏波識別度となります。
- 評価方法は難しい
この評価方法はCISPR 16-1-6で規定されていますが自由空間に近い状態でなければならないことから、容易には行えず外部校正機関に委託するか、少なくともアンテナ製造業者が提供する特性表を入手しておく必要があります。CISPR 16-4-2 で参照されている放射エミッション測定の不確かさには、この項目が含まれているので何とか入手する必要があります。ただCISPR16-1-4では使用する受信アンテナの特性に交差偏波識別度は20dB以上と記載されているので、この規格に適合しているアンテナであれば厳守されているはずですが。
- どうしても確認してみたい
水平偏波と垂直偏波では基準大地面からの影響度は周波数によりますが異なります。無理やり確認するのであれば、例えばコムジェネレータに可能な限り小さなアンテナを取り付け、受信アンテナは垂直偏波としアンテナ間の距離をできるだけ近づけて基準大地面からの影響を抑制するため2mぐらいに上げて、送信アンテナを垂直偏波の時の受信レベルから、送信アンテナを水平偏波に切り替えた時の受信レベルの差を確認すればおおよその性能はわかります。分かったところで改善が出来るわけではないのですが。
受信アンテナに対する要求事項はCISPR 16-1-6が制定されてから細かくなっています。購入する際には気を付けることです。この性能に関しては、放射イミュニティ試験のアンテナにも適用すべきで妨害電波の品質に影響する内容となります。例えば水平偏波で電界を発生させていても。実は水平偏波と垂直偏波の合成でしたでは、試験品質としては如何なものかと思います。この規定はエミッションの規定ですが放射イミュニティも電波を扱います。得られた知識を応用するのもエンジニアの宿命ですので確認してみるのも良いでしょう。